360度カメラTHETAをベースにした小型全天球カメラが宇宙からの撮影に成功!

筆者:遠藤 美華

株式会社リコーはJAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同で、宇宙空間で撮影可能な小型全天球カメラを開発しました。

この記事では、THETAをベースにした小型カメラで宇宙から地球を撮影した360度静止画・動画が10月15日に公開されましたので紹介していきます。

THETAベースの小型天球カメラが宇宙ステーションへ!

 2019年9月25日1時5分5秒(日本標準時)、宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機(HTV8)は、H-IIBロケット8号機(H-IIB・F8)により、種子島宇宙センターから打ち上げられました。

「こうのとり8号機」2度の延期を経て打ち上げに成功!

当初「こうのとり8号機」の打ち上げは、9月11日を予定していましたが、ロケット発射台で火災が発生するなどしたため、2度も延期されていました。

その経過をへて「こうのとり」8号機は、9月28日の国際宇宙ステーション(ISS)到着に向け、順調に飛行を続け最終接近。9月28日20時13分(日本時間)にISSロボットアームにより把持されました。

その後、9月29日2時55分(日本時間)にISSロボットアーム運用により、国際宇宙ステーションISSとの結合を完了しました。

出典:読売新聞「こうのとり8号機打ち上げ成功、三菱重「延期で心配をおかけした」

宇宙ステーション補給機「こうのとり8号機」について

今回、打ち上げられた宇宙ステーション補給機「こうのとり8号機」は、水や食料をはじめ、宇宙ステーションISS(International Space Station)の日本実験棟「きぼう」と地上を結ぶ通信試験に用いる光通信実験装置や、そこから放出する予定をしている小型衛星3基を含めた約5トンの荷物を積載し発射しました。THETAをベースにして開発された小型全天球カメラも含まれています。

「こうのとり」について

「こうのとり」は、物資を運ぶための無人宇宙船です。

以下の詳細は、JAXA宇宙航空研究機構のWEBサイト「HTV8ミッション」からの引用です

宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle:HTV)「こうのとり」は、国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を運ぶための輸送手段として、日本が開発した無人の宇宙船です。
「こうのとり」は最大約6トンという世界最大級の補給能力を備えており、一度に複数の大型実験装置の搭載など「こうのとり」のみが備える機能でISS運用の根幹を支えています。

「こうのとり8号機」に積載されたもの

船内物資3.5トン、船外物資1.9トン、計約5.4トンの物資を宇宙ステーションに運びました。以下に、搭載されたものを紹介します。

将来の宇宙探査につながる技術を実証するための機器

細胞培養装置追加実験エリア、小型衛星光通信実験装置、惑星表面の柔軟地盤の重力依存性調査

宇宙利用の発展と産業振興に貢献する超小型衛星

小型衛星放出機構と3つの超小型衛星

出典:こうのとり8号機ミッションプレスキット

宇宙ステーションISS 運用の宇宙飛行士を支える物資

生鮮食品が輸送されました。北海道産たまねぎ、宮城県産パプリカ、岡山県産ぶどう「オーロラブラック」「シャインマスカット」愛媛県産・佐賀県産「温州みかん」です。

長期滞在する宇宙飛行士のストレス緩和とパフォーマンスの向上、そして身近な「食」をテーマにして宇宙ステーションと宇宙飛行士の活動を地球で生活する人に身近に感じてもらうこと、などが目的になっています。

出典:こうのとり8号機に搭載した生鮮食品について

宇宙から地球の360度映像をYouTubeで公開!

360度カメラTHETAをベースにJAXAとリコーで共同開発した小型全天球カメラで、「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームから宇宙を撮影しました。撮影した360度カメラの全天球静止画・動画の撮影はYouTubeで公開されています。

この動画では、九州鹿児島から北海道と日本を縦断し、2000キロの飛行して撮影した動画が公開になっています。

国際宇宙ステーションISS(International Space Station)は、地上から約400km上空を27,600 km/h、地球を約90分で1週するスピードで周回し、実験研究を、天体などの観測活動を行う有人実験施設です。

THETAとJAXAが宇宙で使える前天球カメラを共同開発

株式会社リコーとJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)で開発したTHETAベースの小型天球カメラについては、8月28日に行われた記者会見で詳細が明らかになり、本サイトでも紹介しています。

THETAとJAXAが宇宙で使える全天球カメラを共同開発

記者会見で上映されたオープニングムービーはこちらです。打ち上げから実際の宇宙での作業がイメージされて、映像化されています。

最後に

THETAベースの小型全天球動画をご覧いただけましたでしょうか?

まるでCGを見ているかの映像です。今後もTHETAの持ち味を発揮できる場所で、活用されることが期待されています。

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