電球型のネットワーク360度カメラ「i Bulb camera」

筆者:阿久津 碧

360度カメラは全方位を撮影できる性質上、監視カメラや双方向のネットワークカメラとしての用途にも向いています。そんな360度カメラと、誰もが知っているあの商品を合体させたような360度カメラが、2019年の11月に発売されました。今回はその「i Bulb camera」の性能や使用用途について考察していきます。


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斬新なデザインの360度カメラ

(画像引用:株式会社ニナイテック製品情報

「i Bulb camera」にはいくつか特徴がありますが、その中で何と言っても目を引くのがデザインです。一見すると電球のような形状をしており、実際の取り付けも電球のソケットにはめる形で行います。360度カメラという未来的な機械と、親しみのある電球を合体させたのは画期的ですね。これまで360度カメラに対して「よく分からない」、「取り付けが難しそう」と考えていた層にもアプローチできるかもしれません。

家庭に普及している一般的な電球と同じ形状なので、取り付け方法に迷うことがないのはいいですね。「i Bulb camera」は電球のソケットからそのまま電源を確保するので、バッテリーを充電したり、電池をセットしたりする必要もありません。容量は外部メモリに依存しており、128GBのmicroSDカードを設置した場合、およそ15日間の録画が可能だそうです。

設置に必要なのは電源ソケットだけなので、斬新なデザイン性を実現しているだけでなく、幅広いシーンでの利用にも対応しています。

また見た目は電球でも、中身は本格的な360度カメラなので、「i Bulb camera」には高画質なレンズが埋め込まれています。それによって500万画素の画質で、360度の撮影が可能となっており、対象物を綺麗に、そして確実に捉えられます。

昼間の明るい場所だけでなく、夜間の撮影にも「i Bulb camera」は対応しています。暗所では赤外線機能が発揮されるので、監視カメラとして使うのもいいかもしれませんね。

(画像引用:株式会社ニナイテック製品情報

国内では持ち運び用の360度カメラや、360度カメラ型のドライブレコーダーなど、多彩なデザインのカメラが発表されていますが、その中でも「i Bulb camera」のアイディアは非常に素晴らしいものだと思います。価格は税抜き49,800円となっており、全国の家電量販店でも購入することができます。防犯カメラとしての使い方、電話としての使い方、様々な使い方が個人・法人の両方で期待できるのではないでしょうか。

アプリにも対応

「i Bulb camera」に録画された映像を確認する際には専用のアプリを用います。アプリはスマホにもタブレットにも対応しており、録画データの確認、ライブ映像の確認の両方に対応しています。

一度取り付ければ、いちいち取り外して映像を確認したり、ランニングコストをかけたりすることがないので、長期間に渡って使うことができます。取り付け後のセットアップはWi-Fiで行いますが、この辺りは他の固定型360度カメラと同じなので、特段難しいことはないでしょう。

カメラ、スマートフォンでの通話を実現

「i Bulb camera」は双方向の通話が可能となっています。つまり出先にいる人と、設置されている部屋にいる人が、それぞれカメラとスマートフォンを通して簡単に通話することができるのです。携帯の使い方を知らないお年寄りや、そもそも携帯を持っていないという人でも簡単にやり取りができるので安心ですね。

スマートフォン側は高画質の映像で録画映像やライブ映像を確認することもできるので、通話しながら相手側の質問に答えたり、表情を確かめたりしやすいというメリットもあります。一見するとただの電球なので、監視カメラや防犯カメラと比べると、心理的な負担が少ないのも特徴です。録画されている意識を感じさせないというのは、監視カメラにとって重要なことかもしれませんね。

防犯カメラとして使う場合も、やはりこの点は重要です。明らかに防犯カメラだと分かる見た目をしていると、不審者や侵入者に真っ先に破壊されてしまうからです。しかし電球のような見た目をしていれば、気付かれない可能性も高くなりますし、破壊されるまで時間がかかれば、より長い時間の録画を実現してくれそうです。

「i Bulb camera」の使用用途

ここまでご紹介した「i Bulb camera」の特徴を見ていただいても、色々な用途で使用できる気がしますが、具体的にどのような現場で使えるかを考えていきましょう。

施設に監視カメラとして導入

お年寄りの多い老人ホームや、身体の不自由な人の多い施設に監視カメラとして導入するのはかなり有効だと思います。一見してカメラだと気付かれにくい見た目は、通常の監視カメラに比べて入居者にストレスを与えにくいはずです。

電源ソケットに取り付けるので、特殊な工事を行わなくても簡単に設置できるのも魅力です。不測の事態が起こった際、少しでも早く気付かなければいけないこのような施設では、「i Bulb camera」は重宝されるのではないでしょうか。

自宅にいる高齢者を見守るカメラ

施設に入居させていないお年寄りが家族にいて、昼間は仕事の都合などで一人にさせることがある場合、留守の間の様子が気になりますよね。そんなときでも「i Bulb camera」は見守りカメラとして活躍してくれるはずです。

自宅の中にこれ見よがしな防犯カメラを設置するのははばかられますが、「i Bulb camera」であれば気にしないというお年寄りも多いかもしれません。

ペットの観察

留守中、ペットがどのように過ごしているかを見守るのにも「i Bulb camera」は有効です。私も家族が家で犬を買っており、やはり自宅にカメラを設置しているのですが、そちらは全天球には対応していません。

また、棚の上に設置しているので、棚の下やソファーの裏など、死角に入られてしまうと、どのように過ごしているのかが全く確認できなくなってしまいます。「i Bulb camera」は360度の撮影に対応していて死角もないので、映像を確認すればペットの様子が一目で分かります。上から見下ろす形で撮影するので、死角も最低限に抑えられます。音声を送ることもできるので、出先から呼びかけてみるのもいいですね。

倉庫などの監視カメラ

「i Bulb camera」には最初から動体検知機能が搭載されているので、普段人のいない倉庫などの防犯カメラとして使うこともできます。ネジや釘を使わずに設置できるので、幅広いタイプの倉庫に対応できるのも強みです。

店舗での監視カメラとして

店舗内の監視カメラとして使う法人は多いのではないでしょうか。一般的な監視カメラと比べても安価に設置できますし、店舗の美観を損ねません。防犯カメラ然としているカメラの方が抑止力としては高い効果を発揮するかもしれませんが、360度を録画できないモデルだとその分だけ死角が増えてしまい、同時に死角を相手側に教えることにもなってしまうという弱点があります。

小さい赤ん坊のいる家庭にも

小さい赤ん坊がいる家庭にも、ベビーモニターとして「i Bulb camera」は有効です。お母さんと子どもがどのように過ごしているかをお父さんが出先から確認したり、ベビーシッターの様子を出先から見たりといった用途が考えられます。

終わりに

屋内に防犯カメラを設置する場合、どうしても見た目の面でこれまでは問題がありました。そこを訪れた人に威圧感を与えてしまいますし、室内の雰囲気も硬くなってしまいます。「i Bulb camera」はそういった、一見注意が行き届きにくい問題に対して上手にアプローチした商品なのではないでしょうか。取り付けも平易にしたことで、場所や環境を選ばずに設置できるようにしたのも実用的です。知人や友人の家に遊びにいった際、電球型の360度カメラを目にする機会が今後は増えていくかもしれませんね。


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