株式会社リコーの360度カメラTHETAのフラッグシップモデル「THETA Z1」が「光設計大賞」を受賞
2019年5月に新発売された株式会社リコーの360度カメラTHETAのフラッグシップモデル「THETA Z1」が2019年12月に、第22回光設計賞の「光設計大賞」を受賞しました。
この記事では、「光設計大賞」受賞の経緯と概要を伝えます。
本記事の内容
THETA Z1「光設計大賞」受賞!
株式会社リコーの360度カメラ「「3回屈曲魚眼光学系を用いた全天球カメラ『RICOH THETA Z1』」がこのほど第22回光設計賞の「光設計大賞」を受賞しました。
授賞理由は以下の通りです
『第17回光設計賞での光設計奨励賞受賞に応え、さらなる光学設計の改良を進め、3回屈曲などの設計工夫によって製品を大型化させることなく高画質化を達成した点を評価します。加えて、デジタルカメラにおけるこれまでに無い新たな市場を創造し、光産業の発展に寄与した功績を称え、光設計大賞を授与します。』
株式会社リコー公式 「RICOH THETA Z1」が第22回光設計賞の「光設計大賞」を受賞 より引用
THETAの光設計賞の受賞は、2014年の全天球カメラ「RICOH THETA」光学系の開発」で光設計奨励賞を受賞して以来の2回目です。
第22回「光設計大賞」を受賞した「THETA Z1」について
株式会社リコーは、2013年に世界初の全天球360度を撮影できるデジタルカメラ「RICOH THETA」を発表しました。リコーで開発したカメラ内部の光学系にプリズムを配置し光路を屈曲させ薄型化させる構成を用いる前天球カメラの構造は、他社製品にも波及しました。2019年の現在では、他社からも同様に構成された360度カメラが様々な形態で発売されています。
今回受賞した「THETA Z1」については、1.0型裏面照射型CMOSイメージセンサーが採用されています。これまでの最上位機種とされてきたTHETA Vと比較すると面積が4倍相当になりますが、3つのプリズムを最適に配置することで本体の厚みを1.2倍程度に抑えることができました。
THETA Z1は2つのレンズ最大間隔29mmとなり、見え方の差も極小に抑えられました。2枚の写真の統合部分に違和感を感じることのない画像を実現し、死角も少なくなることから利用シーンの拡大も期待されています。
本サイトでもTHETA Z1については仕様の詳細を記事として投稿しています。
大型の1.0型イメージセンサーを搭載した、超高画質の最新360度カメラ「RICOH THETA Z1」実機レビュー!THETA SCとZ1で撮影比較も。
参考:https://jp.ricoh.com/info/2019/1217_1/
光設計賞とは?
光設計賞とは、一般社団法人「日本光学会」の研究グループ「光設計グループ」が制定している賞です。
一般社団法人「日本光学会」について
一般社団法人「日本光学会」は、2014年9月に発足した団体です。1952年に応用物理学会内に設立された光学懇話会を前身とし、応用物理学会分科会日本光学会時代を経て、2019年で67年目となる学会です。
活動は、機関誌の刊行、講演会や光学シンポジウム、冬期講習会の開催を主体としています。国内外学術団体とも連携してきました。日本における光学発展のためにに尽力してきた活動実績が認められ、2018年に日本学術会議から協力学術研究団体としての指定を受けています。
光設計賞とは
一般社団法人「日本光学会」では、「光設計」分野における技術交流・研究活性化を目的として年に一度 同分野に関連する優れた研究・技術・発明が募集され、毎年表彰をおこなっています。今回は22回目の選定・授与式の開催です。
「光学設計」分野は、歴史の長い技術の上に新しい高度な技術開発が続けられています。レンズ設計、光学設計をはじめ光学系の加工・測定・評価、光学設計ソフト等、光学系・光学素子等の設計に関連する分野、または適用分野としては回折光学、光記録、光通信、軟X線光学、光コンピューティング、光集積回路、補償光学、非結像光学、光学薄膜等すべての光学分野を含みます。
今回の第22回授与式は、2019年12月3日、大阪大学コンベンションセンターにて行われました。
最後に:「新たな思想で新たな製品を生み出し続けたい」受賞者コメントから
リコー公式サイトで掲載された「光設計大賞」受賞者のコメントを引用して紹介します。
<受賞者からのコメント>
■佐藤 裕之
今回この様な賞を頂けた事、有難いと共に関係者各位には感謝を申し上げます。THETAでは2度目の設計賞となり、先鋭的な製品に関われている事を誇りに思います。
今後とも精進しリコーから新たな思想で新たな製品を生み出し続けたいと思います。
■鳥海 裕二
この度は光設計大賞という名誉ある賞を頂き大変光栄です。THETA Z1は設計だけでなく色々な局面において難しい課題がありました。
そしてそれらを乗り越えた先の大賞受賞ということで、関係者の皆様には心より感謝申し上げます。
今後も「すごい!」と思われるような新しい要素を持った製品を開発していきたいと思います。
左から審査委員長の辰野響氏、受賞者の鳥海裕二、佐藤裕之
出典:
リコーが全天球カメラ「RICOH THETA Z1」で第22回光設計賞の「光設計大賞」を受賞
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