【THETA・GoPro・Insta360】360度カメラ人気シリーズを価格帯別に比較

筆者:小林 悠樹

空間全体を写真や動画に収めることができる360度カメラ。2015年ぐらいから360度カメラ市場に参入する企業が増えており、競争が激しくなってきています。

そこで今回は360度カメラの人気3シリーズを一挙に比較していきたいと思います。取り上げるのはRICOHの「THETA」、中国ベンチャー企業発の「Insta360」、アクションカメラでも知られる「GoPro」です。いずれのシリーズも人気なので、「どれを買うか迷っている…」という方はぜひ参考にしてみてください。


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【THETA・GoPro・Insta360】各シリーズの特徴

まずは各シリーズの特徴をざっくりと把握しておきましょう。

THETA

THETAは、カメラメーカーの老舗RICOHの360度カメラ。シリーズは全5モデル。THETAシリーズの特徴はなんといっても「使いやすさ」です。ユーザーインターフェースに優れ、直観的に操作ができるつくりになっています。カメラ初心者、家電に疎い方でもすぐに使いこなせると思います。

【THETAの特徴】
・シンプルで使いやすい
・フォルムはどの機種もほぼ一緒
・360度カメラの基本形ともいえる
・初心者向けから上級者向けまで幅広く網羅

【シリーズ一覧(発売年)】
・THETA Z1(2019年)
・THETA V(2017年)
・THETA SC2(2019年)
・THETA S(2015年)
・THETA SC(2016年)

Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA

Insta360

Insta360はTHETAにも引きを取らない360度カメラシリーズ。中国の「Shenzhen Arashi Vision Co., Ltd.」という会社が作っているカメラです。中国製だからといってあなどるなかれ。Insta360はデザイン性、機能性どちらも優秀です。

ほかにはない独創的な機能を備えているのもInsta360シリーズの特徴。たとえば、スローモーション動画を撮れたり、カメラ自体を放り投げて動画撮影できたりと個性的です。上位モデルは手ブレ補正が強力で、動きながらの動画撮影に長けています。

注意点としては、iPhoneとしか使えない機種もあるので、Androidのスマホを使っている方は注意が必要です。

【Insta360の特徴】
・各機種とも個性豊か
・手ブレに強い
・どちらかというとiPhoneユーザー向け

【シリーズ一覧】
・Insta360 EVO(2019年)
・Insta360 ONE X(2018年)
・Insta360 ONE(2017年)
・Insta360 Nano S(2018年)

参考記事:

【2020年】360度カメラ2大ブランドの違いを比較|「THETA」vs「Insta360」

GoPro

GoProはいわずとしれたアクションカメラのメーカー。そんなGoProの360度カメラは2モデルあります。いずれの機種も防塵・防水性に優れており、特にアウトドアシーンでの撮影に向いています。

もともとアクションカメラが主戦場なので、手ブレ補正にはめっぽう強いのもGoProの特徴。GoProシリーズは360度写真向きというよりは360度動画の撮影向きといえるでしょう。

【GoProの特徴】
・アクションカメラとしても使える
・防塵、防水性に優れている
・手ブレ補正に強い

【シリーズ一覧】
・GoPro MAX(2019年)
・GoPro Fusion(2018年)

参考記事:

【THETA vs GoPro】人気360度カメラシリーズを徹底比較


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【THETA・GoPro・Insta360】クラス別に各シリーズを比較してみた

3シリーズで合計11機種をビギナーモデルとハイエンドモデルに分けて比較したいと思います。
(※明確に初級・上級と定義されているわけではなく、筆者の独断で分類しています)

初心者、ビギナーモデル

今回、ビギナーモデルとしたのは以下の6機種。

・THETA SC2(2019年)
・THETA S(2015年)
・THETA SC(2016年)
・Insta360 Nano S(2018年)
・Insta360 ONE(2017年)
・GoPro Fusion(2018年)

価格はInsta360 Nano Sが一番安く、THETA SとSCが真ん中、THETA SC2とGoPro Fusionが3万円台となっています。画素数はGoPro fusionが最も高くなっていますが、GoPro fusionはイメージセンサーサイズ(センサーの大きさが画質に直接影響する)が公開されていないので画質の良し悪しは単純比較できなのが実際のところです。

Insta360 Nano Sは「1/3.06型」のイメージセンサーを搭載しており、それ以外は「1/2.3型」です(1/2.3型のほうが大きい)。「1/3.06型」はiPhone5S・6・7・8に搭載されているものとほぼ一緒で、「1/2.3型」はコンパクトデジカメでよく採用されるイメージセンサーです。

THETAシリーズでおすすめは「THETA SC2」。最新モデルでTHETA SやTHETA SCから、大幅に改良されておりとても使いやすいです。Insta360 Nano SはiPhoneでのみ使用可。iPhoneに直接差し込んで使います。Insta360 ONEはNano Sよりも画質がよく、手ブレ補正も強力になっています。こちらもTHETAに匹敵するぐらい人気のモデルです。

▼SC2で撮影した360度写真

Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA

より詳しく機種ごとの違いを知りたい方は以下も参考にしてください。

【2020年】360度カメラ2大ブランドの違いを比較|「THETA」vs「Insta360」

【THETA vs GoPro】人気360度カメラシリーズを徹底比較

【THETA vs GoPro】人気360度カメラシリーズを徹底比較

ハイエンドモデル

続いて、上級モデルです。以下の5機種をみていきましょう。

・THETA Z1(2019年)
・GoPro MAX(2019年)
・Insta360 EVO(2019年)
・Insta360 ONE X(2018年)
・THETA V(2017年)

価格は「THETA Z1 → GoPro MAX → その他」の順。ハイエンドモデルに一番求められるのはやはり画質でしょう。イメージセンサーに関して、THETA Z1は「1型」を搭載しており、ほかは「1/2.3型」です(GoPro MAXは非公開)。「1型」まで大きくなると撮れる写真の質はかなり上がります。1型のイメージセンサーはミラーレス一眼や高級コンデジにも採用されるほど大型のセンサー。そのため6モデルの中ではZ1が一番高画質といっていいと思います。

動画はGoPro MAXとInsta360 EVO・ONE Xが5K越え解像度となっています。360度動画で注意しておきたいのはデータ容量の重さです。

360度動画は、通常の動画と比べ容量がとても重く、データ転送にとても時間を要します。5K以上の動画をエクスポート、編集をする場合にはPCでの作業が前提となることを知っておきましょう(Insta360の場合、そもそもスマホへは4K画質までしか転送不可)。

もしPCで動画編集ができないのであれば、5Kを越えるカメラはオーバースペックかもしれません。もちろん、「パソコンでバリバリ動画編集したい!」という方には問題ないと思います。

こちらについても各機種の違いは以下記事をご確認ください。
【2019年】360度カメラ2大ブランドの違いを比較|「THETA」vs「Insta360」
【THETA vs GoPro】人気360度カメラシリーズを徹底比較

まとめ

今回はTHETA・Insta360・GoPro、3つのシリーズの360度カメラを比較しました。どれも甲乙つけがたく人気のモデルです。あえて筆者のおすすめを言わせてもらえるのであれば、ビギナーモデルであれば「THETA SC2」。3万円台でありながら、スペックはハイエンドモデルにも引けを取りません。先代の「THETA SC」から大幅に改良されておりとても使いやすい一台だと思います。

ハイエンドモデルであれば、「Insta360 ONE X」「GoPro MAX」が面白いと思います。撮影モードが豊富で、アイディア次第でおもしろい写真・動画を撮ることができるでしょう。予算が許すのであればプロ並みにスペックを誇る「THETA Z1」もいいですよね。


RICOH THETA SCを実際に使ってみたユーザーのレビューを見る

以下の記事では「THETAとInsta360」、「THETAとGoPro」を比較しているので、あわせて読むとさらに理解が深まりますよ。

【あわせてチェック!】
【2019年】360度カメラ2大ブランドの違いを比較|「THETA」vs「Insta360」
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