日本のドラレコを世界に。カーメイトが「CES 2020」に初出展
煽り運転や高齢者の事故など、自動車に関する問題が多発する一方で、事故の瞬間を記録するドライブレコーダーの進化も目覚ましい今日この頃です。そんな中でも360度録画タイプのドライブレコーダーは高い注目を集めており、当サイトでも頻繁にその概要についてご紹介してきました。そんな日本が誇るべく技術が、とうとう海外にも進出したので、今回はそのニュースを中心にご紹介していきます。
カーメイトが「CES 2020」に初出展
カーメイト(東京都豊島区、代表取締役 社長執行役員 徳田勝)が2020年1月、ラスベガスで開催された「CES 2020」に初出展を果たしました。
参考:世界最大級の家電・IT見本市『CES2020』に、360度ドライブレコーダーで初出展|カーメイト
CESとは当初Consumer Electronics Showの名で開催されていた電子機器の見本市で、全米民生技術協会(CTA)が主催しています。最初の開催は1967年6月まで遡り、当初はニューヨークで開催されました。既に50年以上の歴史を持つ由緒ある見本市ですが、世界的に見ても最大規模のイベントの一つです。
CES International Attendees – CES 2020
※現在は公式に「Consumer Electronics Show」の名称で紹介しないように記されています。
現在の会場はアメリカのネバダ州、ラスベガスで、一般には公開されていません。電子分野に属する様々な新製品や試作品の展示が行われ、テクノロジービジネスに従事する人々を中心に、世界中から大きな注目を集めています。
国外からも60,000万人以上の参加が見込まれている大規模な見本市で、CESに参加すれば、テクノロジービジネスの最先端が覗けるといっても過言ではありません。
カー用品の分野では老舗のカーメイトは今回、このCESに360度カメラ搭載型ドライブレコーダー「ダクション360」シリーズを展示し、米国で販売するための足がかりとしました。ノースホールに設けられたカーメイトの展示ブースでは「ダクション360」と、北米販売モデルの垂直360度対応全天球ドライブレコーダー「ダクション360S」が展示されました。
他にも東京モーターショー2019に展示された鳥瞰撮影型ルーフキャリア用アタッチメントや、360度ドライブVR体験コーナーなども併設され、同社製品のオールスターが揃う形となっています。


日本では標準装備になりつつあるドラレコ
日本では2017年に起きた東名高速夫婦死亡事故をきっかけに、多くの煽り運転や道路上での傷害事件が表面化しました。ニュースや新聞などでも連日取り上げられ、道路交通法の改正や免許の取り消しといったところまで自体は発展していきました。しかしそれほどまでしても煽り運転は完全にはなくならず、一般のドライバーが危険に晒されるリスクは未だに残っています。それを受けてドライバーの中でも自衛のためにドライブレコーダーを搭載する人が増えており、店舗やネットサイトでも飛ぶように売れていきました。
我が家の車にもやはりドライブレコーダーが積まれていますし、街中を走っていてもそういった車が目立ちます。ドライブレコーダーを取り付けている車は、トランクやリアバンパーに「ドライブレコーダー搭載車」などのシールを貼っているため、比較的分かりやすいのも特徴です。
そのような目印を貼り付けることで、周りの車に対してドライブレコーダーの搭載をアピールし、危険運転被害の回避に繋げています。中にはドライブレコーダーは搭載せずに、このシールだけを貼っている人もいるので、相当効果が期待できるのでしょう。
こうしてある意味車の標準装備のような存在として認知されたドライブレコーダーですが、様々なモデルを各社が販売しているため、今度はどのようなものを選べばいいのかという問題が浮上しました。その中で人気を集めたのが360度録画型ドライブレコーダーです。
死角の少なさや運転席の記録能力など、一般的なドライブレコーダーに比べて視野が広いこともあって、瞬く間に市場で受け入れられました。そういった動きに合わせて、今度は安価で買える360度録画タイプのドライブレコーダーも増えていき、現在は更に選択肢が広がった状態です。
三金商事が360度カメラ搭載のミラー型ドラレコを発表
その中で「ダクション360」シリーズは全天球ドライブレコーダーの先駆けとも言え、現在も安定した人気を獲得しています。私もカー用品店に足を運ぶことがありますが、ドライブレコーダーのコーナーでは必ず見かけますし、売り場も一際大きい印象を受けます。店員さんも真っ先にオススメしてくれるので、初めての360度ドライブレコーダーとして、まず外さない商品といったところのようです。
アクションカメラとしての使い道
『ダクション360』が他の全天球ドライブレコーダーと比べて優れている点は、アクションカメラとしても利用できる点です。別売りのバッテリーオプションを購入する必要はありますが、それさえ取り付ければ車外にも自由に持ち出せます。
全天球ドライブレコーダーの登場で、車社会はどう変わるのか
4Kの高画質で決定的な瞬間を撮り逃さないだけでなく、出かけた先でも活躍してくれる優れものですが、こういった性能を備えているドライブレコーダーはかなり稀です。全天球という課題をクリアし、価格面ではダクションシリーズに勝っている他社製品は多く存在しますが、画質や使い方の幅で考えると、この市場は一強と言えるかもしれません。
このシリーズは他にもオプションパーツが用意されており、エンジンが切れているときでも衝撃検知で録画をする「DC201」なども合わせて買っておきたいところです。
アクションカメラが欲しい人、360度カメラが欲しい人、そしてドライブレコーダーが欲しい人と、全てのニーズに応えてくれるのが「ダクション360」です。それらの性能を兼ね備えた一台のカメラとして考えれば、5万円台という価格はかなりお手頃ではないでしょうか。
海外市場でも需要が見込めるか
日本では多くの顧客を獲得した「ダクション360」シリーズですが、海外市場ではどのような反響が期待できるでしょうか。第一に、何も煽り運転問題は日本だけのものではありません。YouTubeなどの動画サイトで探せばすぐに見つかりますが、海外でも煽り運転や道路上での暴力事件は日常的に起きています。
故意のものでなく、偶発的に起こってしまった事故も数えれば、世界ではとんでもない件数の自動車事件・事故が発生していることでしょう。他にも車上荒らしや車の盗難事故といった犯罪も、件数で言えば日本より多い国は沢山あります。
ホンダのアコードやシビック、トヨタのカムリ、カローラといった日本社はアメリカの盗難車種の中でも上位にランクインしており、盗難車のうち半分近くは戻ってこないというデータもFBIの統計で明らかになっています。
アラームなどの威嚇機能が搭載されているドライブレコーダーは盗難事故の抑止力としての力も発揮しますし、後方からの煽り運転などもしっかりと記録してくれるので、海外でも十分に需要が見込めるのではないでしょうか。盗難保険に入っていたとしても、愛車が盗まれて戻ってこないのは寂しいです。そうならないためにもドライブレコーダーは必ず付けておくべきですし、米国市場でも受け入れられるのではないかと考えられます。
終わりに
ドライバー同士が思いやりを持って、ドライブレコーダーが必要ないような社会が訪れればそれが一番なのかもしれませんが、現状では自分の身を守る意味でも、ドライブレコーダーは必ず装備するべきです。その上でメーカー、機種選びに慎重になるかもしれませんが、価格だけで判断せずに画角や画質、夜間での記録能力など、総合的な性能面で選ぶようにしましょう。
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